国産タイタック
国産タイタック
ピンバッジにはあらゆる種類のアタッチメント=留め具が存在し、ピンバッジの用途などによってどのアタッチメントを使うかを選びます。今回はそうしたアタッチメントの中でも、オフィシャルな質感が問われる仕様のピンバッジによく使われる「国産タイタック」をご紹介いたします。
針の違いから分かる国産タイタックの性能
上の画像は、ピンバッジのアタッチメント(留め具)によって仕様が異なる「針」を撮影したものです。ここで注目すべきポイントは“針の太さ”です。国産タイタックの針の太さは0.9mmと、他の針よりも細くなっています。この国産タイタックの針は白銅という材質でピンバッジの針としては高い硬度を誇ります。50円や100円の硬貨と同じ材質と言った方がその硬さをイメージしやすいかもしれませんね。その高い硬度のために、国産タイタックは針が細くても耐久度を保てていると考えられます。
「針が細い」ことで、服地につけたときの布地への負担が小さくて済むため、服地に針穴が開くことが懸念される場合にはこの国産タイタックをおすすめしています。実際に針が細いだけではなく、針先がとても鋭角に設計されているので布地に針を通す際のなめらかな感覚を味わえます。ピンバッジで最もポピュラーなアタッチメントのバタフライクラッチ用の針と比較してもわずか0.3mmの太さの違いですが、そのわずかな差は緻密に計算された設計から生じた大きな違いなのかもしれません。
そうした性能もあってか、オフィシャルなシーンで使われるピンバッジにはこの国産タイタックが使われることが多いのですが、その理由は針だけにあるわけではなさそうです。
国産タイタックの構造
図のように国産タイタックは指でつまんで手軽に脱着を行えるアタッチメントですが、同時になめらかな脱着やしっかりした固定感、耐久性のある強度にも定評があります。それらの点を探るため、国産タイタックのパーツを分解してみるとあらゆる工夫が施されていることがわかります。全高10mmにも満たない国産タイタックには、1mmほどの極小サイズのボールベアリングが3つ組み込まれています。主軸にあたるパーツを上下動させることによって、この3つのボールベアリングが針を開放または固定し、アタッチメントの脱着を可能にするのです。
また、国産タイタックと海外製タイタックのボールベアリングの数量を比較すると、国産が3つであるのに対して海外製は2つであることからも、国産タイタックの方がよりしっかりとした留め付けを行うことがうかがえます。受け具本体の製作工程で比較すると、海外製は複数のパーツを圧着して1つの金具にする(カシメ)方法で製作される方法に対して、国産は金属の削り出し(旋盤加工)で製作されています。これによって国産は、より歪みやひずみのない精度と強度のあるパーツ設計を行われていることがわかります。 こうして国産タイタックは留め付けの際の服地への最小限のダメージやなめらかな脱着、しっかりとした固定感など、ピンバッチを使うユーザーが扱いやすいように、細心で精密な設計が施されています。近年、あらためて日本人の性分に根差した製品やサービスの丁寧さや細やかさが見直される中、国産タイタックはこうした日本人のモノづくりの心意気が十分に感じられるアタッチメントです。
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