スタンププレス工法 | PINS FACTORY (ピンズファクトリー)

スタンププレス工法

スタンププレス工法の特徴

金型で金属板に凹凸をつける工法で、デザインを金属の凸凹で表現するピンバッジの代表的な工法です。その金属の凸凹は深く、エッジが立つために、文字のような細かいデザインでも非常にはっきりと見える仕上がりになります。“ 抜き型 ” と呼ばれる金型の一種によって デザインの外郭を自由にカットアウトすることができます。メタル(金属)の厚みを生かした凸凹の金属線と自由カットの外郭線といったメタル(金属)だけでの表現の自由度と完成度は高く、その質感と表現力が非常に豊かな工法と言えます。その質感に重厚さを感じさせるため、品位の求められる社章や表彰時に使われるバッジにはこのスタンププレス工法が選ばれる傾向にあります。

プレス後にメッキを施すだけの表現もあれば、金属の凹部分に着色塗料(本七宝、合成七宝、ソフトエナメル)を入れて彩色を豊かに仕上げることもできるため、一つの金型で“メッキのみ”や“色違い”などのバリエーションを製作することができるのもこの工法の特徴です。

どんなピンバッジに選ばれている?

スタンププレス工法のメリットは、1つの金型から安定した品質で多くのピンバッジを製作できることです。そのため企業の顔となる社章や、表彰時や周年記念や創立記念に贈られるピンバッジ、または販売商品といった質感が求められるピンバッチに選ばれている一方で、バラマキなどのノベルティなどの用途でも選ばれています。着色方法によって適した用途もあるので下にある「スタンププレス工法で使われる主な着色方法」もご覧ください。

こうしてこの工法でピンバッジは作られる

※着色にソフトエナメルを使用した場合はにメッキを施してから色を入れますが、合成七宝の場合はその工程が逆で、色を入れてからメッキを施します。

スタンププレス工法は stamp(刻印)、press(押しつける)という名の通り、帯状の金属板に約 1t(トン)の力で金型を押しつけて(打ちつけて)刻印することで金属線を表現するため、金型はスタンププレス工法の再現性に関わる重要な鍵と言えます。

その金型は人間の手によって彫られています。金型を彫る機械もあり、デザインによっては機械での彫刻になりますが一般的には人力で彫られます。そのためイメージ通りにピンバッチを製作するには職人の熟練した技と経験が必要になってくるのです。

例えば細かいデザインなどで金属の凸凹線を細くすれば、金型を打ちつけたときにその衝撃で金属線が潰れてしまうし、太くすれば細かいデザインを再現できない。ピンズファクトリーのクライアントパートナーは約30年の経験からピンズ製作におけるそうした安全 / 危険範囲を駆使して製作をハンドリングすることで、お客様のイメージにより近いピンバッチをご提案しています。

そうしたピンバッチをイメージ通りに製作するために、ピンバッジ製作の工場において弊社専用の製作ラインを設け、各工程に熟練工を確保して配置することで安定した品質の供給に努めています。プレス工法の着色には主に、本七宝、合成七宝、ソフトエナメルを使用します。

ピンズはこうやって作られます(スタンププレス工法、ソフトエナメルの着色の場合)

スタンププレス工法で使われる主な着色方法

本七宝

本七宝の特徴

  • ・歴史が古く最高級の着色方法。古代エジプトのツタンカーメン王のマスクにも七宝焼きが使われているようです。
  • ・1色毎に700~800℃で焼成し、その都度研磨を行います。
  • ・顔料はガラスの原料となるケイ素粉と発色用金属粉を混ぜ合わせ原料としているため、経年による色の劣化に非常に強いです。
  • ・“アナログ”や“アンティーク”を思わせる独特の仕上がりで、力強い金属線や熱反りなどもそういった魅力の一つです。
  • ・選択できる色は限られます。


日本でも海外でも本七宝での着色を行う職人が限られてきており、伝統工芸のようなポジションになってきています。そうした状況だからか、納品できるほどの良い品質のものは10,000個作った中でも1,000個くらいの割合となっています。

昔の本七宝の焼成

七宝の顔料を焼成するのに昔は火を使っていましたが、今は電気炉を使って温度管理を行っています。

本七宝はどんなピンバッジに選ばれている?

社章、表彰時に贈られるピンバッチ、高級販売品、周年記念や創立記念に使われるピンバッジなどに選ばれています。また本七宝の焼き物としての風合いや伝統工芸品のようなポジションを理由として選ばれる場合があります。

合成七宝

合成七宝の特徴

  • ・本七宝のような重厚感や高級感があり、社章や褒章などの品位を求められる用途によく使われています。
  • ・エポキシをトナーにより調合し、生地に盛りつけて熱硬化後に研磨で仕上げます。
    他のバッジメーカーでは「研ぎエポ」と呼称している場合があります。
    「研ぎエポ」=「研ぎ出すエポキシ」
  • ・経年による色の劣化に非常に強いです。
  • ・DICやPANTONEに倣った豊富な色数での表現が可能です。
  • ・色相が安定しており工業製品として安定感があります。

合成七宝はどんなピンバッジに選ばれている?

合成七宝は5年、10年の経年変化への信頼感があり、社章、マイスターなどの資格章や認定章、表彰時に贈られるピンバッジ、といった特別感を演出したい用途や変わらない輝きを保ちたい用途によく選ばれています。

ソフトエナメル

エポキシ樹脂で表面をコーティングした場合
エポキシ樹脂で表面をコーティングしない場合

エポキシ樹脂がある場合とない場合の違い

ソフトエナメルの特徴

  • ・研磨してから色を差すので、金属線の細さが活きます。
  • ・透明エポキシ樹脂の有無や量で質感が変わります。
  • ・DICやPANTONEに倣った豊富な色数での表現が可能です。

ソフトエナメルの色差し

ソフトエナメルの色差しは、ピンバッジ1つずつ、1色ずつを人の手で色を入れます。デザインによっては機械によって自動で色差しを行っています。

どんなピンバッジに選ばれている?

キャラクターのピンバッジ、販売品、認定章、表彰時に贈られるピンバッジ、周年記念や創立記念に使われるピンバッジなどに選ばれています。比較的にカジュアルなデザインに適しているため、キャラクターやポップなデザインのピンバッチに選ばれています。またエポキシ樹脂を使わない仕様だとレトロ感が演出できるのも特徴です。

実物のピンズで工法や着色の違いを実際にご覧いただけます

スタンププレス工法をはじめとした、工法別10種類のピンズサンプル&ピンバッチの用途や入稿データの作成方法などのノウハウをまとめた冊子を同梱したサンプル&資料セットを無料で申し込みいただけます。
※このセットにはインジェクション工法のサンプルは同梱されていません。

サンプル&資料セット
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